COLUMN

2020-12-09 16:41:00

タロット『星』と風の時代

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占星学の視点から、地球上は、キリスト誕生(紀元前後)から続いた魚座の時代から、現代(2000年頃から)は水瓶座の『風の時代』に入ったと考えられています。

そして特に2020年12月は、水瓶座0度で木星と土星が重なる(Great Conjunction)ことから、世の中は本格的な『水瓶座(風の最終エレメント)の時代』に更に前進すると言えます。

 

占星学の知恵が織り込められたタロットの中でも、特に『ⅩⅦ. The Star 星』は水瓶座を象徴していることもあり、また個人的にもこのカードと向き合うことが多くあるので、考察していることを少しずつまとめたいと思います。 

 

 

宇宙から見た『大アルカナ 星』

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(このカードは構図の説明だけでも長くなるので省きます。)

タロットの大アルカナ『塔』という地上の災禍の次のカード『星』に描かれる一つの特徴は、夜空という光景をモチーフに宇宙に浮かぶ星々が描かれていることです。

遠い宇宙に輝く天体は、もしかしたら太陽系の他の星かも知れませんし、遥かに遠い太陽系の外の天体も含むかも知れません(諸説あり)。

 

かなり端的に言うと、私は通常このカードを『形や固定概念に縛られない自在性』という解釈からリーディングします。

そして、個人的にこのカードの向こうに見る世界観の本質は、『デジタル化の中でのアナログ生活(スローライフ)』です。

ここに結びつけるまでの前置きが長くなりそうです。。

 

この『星』というカードは、個々を繋ぐ(仲介する)あらゆる役割や存在を象徴します。

広大な地球を繋ぐインターネットなどが例えやすいワードです。

 

更にそれを地球の外から見た場合、、

例えば、今私は地球上の日本という島国のとある地方都市の自宅内からインターネットを介して発信しているわけですが、それも含めて宇宙の中のどこかに存在しているのは確かです。

 

これらを前提に超訳すれば、『星』というカードは、広大な宇宙の中の太陽系に住む私たちが、地球の大自然と文明両方から恩恵を受けている姿だとも言えます。

まるで、地球発『或る日の穏やかで健やかな地上の様子』、、なんていう言い方も可能です。

 

 

塔(混乱)から星(希望)へ

 

この星というカードに描かれる光景は非常に穏やかですが、それは『塔』で悟った人間の愚かさや不完全さから招いたカオスを乗り越え、視点を外へシフトさせたプロセスが窺えます。

 

『星』の一つ手前の『塔』が、人類の自明のアナフィラキシーショックのようなものだと例えるなら、『星』はそこから気付いたことをポジティブに活かす方向へ歩み出した姿です。

 

大アルカナ『星』の領域に辿り着くまでのプロセスには、葛藤と混乱を生み出す支配やコントロール、差別や無理解などを乗り越えるための試練の道のり(大アルカナ ⅩⅤ. 悪魔、ⅩⅥ. 塔)があります。

それらを乗り越えて辿り着いた『ⅩⅦ. 星』の領域は、大きな局面と向き合ったからこその、しなやかな自信と深みのある知性を湛えているのです。

 

それはおそらく、最初から最後までたった独りだけで乗り越えることなど不可能だった筈です。

『星』が友情や仲間という、何かしらの『支え』があったことを示唆するのは、そのためです。

難局を乗り越えるプロセスと、そこで築かれる信頼関係。そこから見出す『希望』という言葉が、星の持つ最も好ましいメッセージです。

 

星のカードは、圧力やストレスなどから遠ざかることを望む傾向があるせいか、実践の現場ではとても興味深い出方をよくします。

まずは、人の捉え方を自然に還すシチュエーションが少なからず見受けられます。

その人のバックグラウンドや生い立ち、あらゆる個性や性を越えて、自分本来の素の姿に相応しい環境を求めたいと思わせるのでしょう。

 

それはとても自然で自由な発想をもたらします。

人によっては、会社を辞めて農業を始めたいという方や、リラクゼーションに関心が高い方なども、このカードが示すこともあります。

 

また、このカードのもう一つのメッセージは、地上に降ったであろう雨(恩恵)を、片方の水瓶では大地の命に注ぎ、もう片方の水瓶では本来の源となる池へ戻していることにあります。

 

夜空は晴れ渡り、この女性は自然の恩恵に添って生きていることが読み取れますが、全裸の姿にはそこには性差を超越した役割を担っていることを感じさせます。

社会のシステムや教えなどからそうしているのではなく、『生』という営みを自然に理解している姿です。

それを物語る優れたタロットカードがあります。

 

 

『星』に見る風の時代

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このタロットデッキの『星』の女性は、ガーデナーとして描かれていますが、これを初めて見た時はかなりのセンスだと感心しました。

 

自然の植物(命)を育てるガーデナーは、自然に逆らわずに寄り添う人の姿です。しかもそれは、そうすることが特別なことではなく、『もしも雨が不足したなら、植物を枯らさずに、生かすために水を分け与えること』は、地上に生きる人間の自然な姿だと言えるでしょう。

 

何故なら、、

地上に生を受けたあらゆる命は全て、本来、生きようとするエネルギーを宿しており、それを互いに協力し分かち合うことこそ、人類が目指す未来像と言えるのかも知れません。

 

言い方を変えれば、命は全て異なる『個性』を持って生まれるものであり、それを生かす(活かす)ことが、人の社会本来の好ましい姿でもあると言えるでしょう。

それを引き出すために最も今必要とされるものは、学校や家庭などの従来の枠組みを越えた『教育(教え・育む)』ではないかと、私個人は感じています。

 

『水瓶座(風)の時代』に託されているテーマ、従来の社会の枠組みでは明らかに手狭で飽和状態を迎えているテーマは沢山あります。

タロットカードの『星』・『水瓶座/風の時代』の示す未来像は、これまでの社会の画一的な常識が時代遅れであることを示唆し、時代の転換は今後更に加速するでしょう。

 

そんな時代の転換期に、人類史上に無かったコロナ禍を迎えている今の地球は、決して目の前のことに諦めず、必ず乗り越えることを誓わされているように思えて仕方ありません。

 

 

風の時代の人間関係

 

星というカードは、正にこの現代を予言していたのでは?と思える節が多々あるユニークなカードですが、それは、このカードは特に物理的な距離を突破させる新しい価値観を表す傾向があるからです。

インターネットを介したコミュニケーションが至極当然な現代、人間関係で向き合わされる『新しい距離感』と、そこから創造されるであろう進歩的な関係性は、この『星』のカードの担うテーマでもあります。

そこにコロナ禍が加わって来た今は、むしろそれを肯定的に受け入れるべき時代に進んでいるのかも知れません。

 

愛情面に関しても、この星のカードは、互いの関係性のベーシックなところに、自立した関係性を求める性格を持ち、束縛やコントロールされることには否定的です。

決まりや惰性によって、または自然の流れに逆らって一緒に居たり帰属したりすることよりも、自分らしく自立し、自由(自在)であることを尊ぶカードです。

それは、コントロールによるものではなく、個々が真に望むことに正直に生きる『個人の権利』を主張する姿であり、それによって人生は本来の更なる可能性を開かせるという希望を示しています。

 

そして、これこそが占星学に於ける『水瓶座(風)の時代』の考察そのものと重なるのです。

 

占星学的視点で見た、これまでの2000年(魚座の時代)、地上の殆どの社会では男女という役割は社会によって固定の枠組みに置かれていたと言えるかも知れません。

 

男と女は原理的に違う生き物、という地球オリジナルの規格に従順なことを、古来の社会は『良し』として来た諸々の価値観があります。

それが、本格的な水瓶座時代への移行期にある今、古来の価値観への見直しが始まり、新たな価値観へ舵を切り出していると言えます。

逆に言うと、世の中のニュースは実に混沌としており、誰もが経験したことの無い全く新たなフェーズへ進んでいることを実感するばかりです。

 

 

あとがき

 

普段はTwitterの限られた文字数に収まるようにまとめる習慣がついてしまったせいか、久しぶりにブログを再開したら、言葉にしたかった事があり過ぎて纏まらず、辟易してしまいます。日頃から少しずつ吐き出すようにしなくては、と反省しています。。

 

先日、朝起きたらシカゴに住む女友達から数ヶ月振りにLINEが入っていました。

 

この文章を読むと、不思議なほどハートが温かくなるので書いてみます。

 

It has been a long time..

But you are always in my heart..

 

 とてもシンプルな書き出しのこの一文に、私が『大アルカナ・星』に喩えたいものが表れていました。。

 遠く離れている大切な人を想う気持ちとして、これ以上シンプルな言葉が私には見つかりません。

そして、私も大切な友人に贈ろうと思います。。