COLUMN

2022-05-11 20:48:00

白牡丹の話

ウチの小さな庭は毎年この季節になると、庭の中心に美しい白牡丹が6〜7輪ほど咲いていました。

5年ほど前までは。。

 

2016年当時、国分町でタロットカフェを始めるまでは、私が仕事の合間に小さな庭の手入れしていたのですが、店開始以降は庭まで手が回らず放置状態。小さなジャングルと化した庭を見かねた両親が、庭木の剪定を買って出たことがあるのです。

 

はじめは『少しだけ、枝を剪定するだけね』と言って遠慮がちに始まったはずの庭の《お手入れ》は、終わった時にはそこが爆心地かと思うほど、、ウルトラハードに剪定されていました。。

確認できたのは高木の楓とエンジュぐらい。私が植えて大きな株に育てた紫陽花などは根元からスパッと、、伐採。

 

そして、白牡丹。。

ただでさえ細くて見つけにくい幹は、おそらく勢いで抜かれたかと思うほど、あった筈の場所に、あの細い花木は残っていませんでした。

まさに『The Death - 死神』のような出来事。

 

言葉を失う私と、母にしこたま怒られる父(久々の庭仕事にエキサイトしたらしく)。

私としては、多忙を言い訳に庭を放置してジャングル化させた自分が悪いので、親を咎められるわけもなく、『また、いつかそのうち伸びるさ(それが髪の毛なら)』などと殆ど諦めていました。

人生50年近く生きて来て、そんな遣り場に困る想いを抱えるなんて。。

『庭なんてもう知らない』

そんな、語るに語れないドラマがあったウチの小さな庭なんですが、植物の生命力というのは私の想像を遥かに超えていました。

 

あれから2〜3年後には、再び伸び始めた紫陽花が花をつけ始め、昨年ぐらいからはユキヤナギも咲いてくれるようになり、庭が少しずつ華やいで来たのです(ちょっと嬉しい)。

 

が、、白牡丹は、その葉すら確認出来ず…(というより昨年5月までは私の眼が悪過ぎて見えてなかったのですが…)。

 

 

植物は一度でも大地に根付けば、根が生きている限り、何度でも蘇る。そんな奇跡があの白牡丹にも起きたらいいのに、、そう思いながら、白牡丹の命を間接的に奪った自分が解せないまま、再び庭が鬱蒼として来た今年のゴールデンウィーク。

 

庭の牡丹の木があった辺りに、一個だけ蕾が膨らんでいるのに気付いたのです。

まさか?!と思っていたら、、

今朝、4年振りに咲いてくれました。

一輪だけ。

あの丸坊主状態から、よくぞ。。( ;  ; )

 

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*今朝8時頃、開花に気付いた時 

植物の生命力って、

本当に凄いですね。。

 

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※午後2時過ぎ、ほぼ満開

 

まさに、『The Judgement - 審判』そのもの。。

ところで、、白牡丹の花の《純白》は独特のオーラがあると思います。この人間界よりも神仏に近い領域のような、どこか高次元の『精 'spirit'』を纏った佇まい。

なので、そんな花木を庭に植えると、そこに住む人間の次元(波動)など軽く超えた存在になり得るような。シュールな言い方をすると、例えば牡丹のような《格》の花木を庭に植えるということは、その牡丹の "精" が家の真のオーナーとなり、その家に住む人を選んでいるのは実は牡丹だった、、と言えそうな?

私の経験上、花には精が宿ると思っているのですが、何はともあれ、その花の持つ《格》に相応しい住人で在れるように魂を磨けよ…と言われているような気がする私でした…ಠ_ಠ